半導体工場で防塵服を着たまま認証可能?クリーンルームの入退室には生体認証が必須!
「入室のたびに、手袋を外して指紋認証をするのが手間」「マスクをしていると顔認証がエラーになり、結局パスワードを打っている」そんなストレスとタイムロスが、毎日のシフト交代で起きていませんか?最新の生体認証技術は、防塵服(クリーンスーツ)の着用を前提に進化しています。
この記事では、防塵服・マスク着用でも約0.6秒で解錠できる最新の生体認証システムについて解説します。
半導体工場でのクリーンルームの入退室とセキュリティ管理について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
なぜクリーンルームの入退室に生体認証が必須なの?手書きやカード・指紋の限界

半導体工場のクリーンルームの入退室管理には生体認証が適していますが、それはなぜでしょうか。ここでは、手書き台帳・ICカード・指紋認証それぞれの弱点を挙げつつ、生体認証(顔認証)が優れている理由について解説していきます。
手書き台帳の弱点
入退室管理を手書きで行っている工場は少なくないですが、そもそも手書きに必要な「紙(パルプ)」や「ボールペン」は発塵源そのものです。紙やボールペンをクリーンルーム内に持ち込むこと自体が、清浄度を下げる要因になります。
また、入室のたびにペンを持ち、時刻と名前を書く行為は時間がかかります。シフト交代時には長蛇の列(ボトルネック)となり、貴重な製造時間を奪ってしまいます。
それから、手書きの文字は判別が難しい場合もあり後で見返した時に「読めない」リスクがあるばかりか、機械でなく人間が記録を書くことから「改ざんが可能」というリスクも存在します。このことで、監査に引っかかる可能性も大いにあります。
ICカードの弱点
ICカードにも、コンタミの懸念はあります。カードやネックストラップがゴミの付着源になったり、防塵服のポケットからカードを出し入れする動作で服が擦れて微粒子が舞ったりするリスクがあります。
また、クリーンルーム内では全員が同じ防塵服とマスク姿になるため、外見で個人を判別できません。もし不審者が他人のカードを使って正社員の中に紛れていたとしても、周囲は「本人ではない」と気づくことができず、セキュリティホールになります。つまりICカードだと、借りたり盗んだりすることで「カードの持ち主」になりすますことが容易なのです。そして、万が一内部不正による盗難などの事件が起こった時に、不審な入退室記録があったとしても「自分ではない誰かにカードを使われた」などと言い逃れができてしまいます。
指紋認証・静脈認証の弱点
これまでの内容を踏まえて、「生体認証ならOKだろう」と考える方は多いでしょう。確かに、生体認証なら登録された人しか中に入ることはできませんし、本人しか認証できないため、不審者が「なりすまし」をすることは不可能です。
しかし、生体認証であっても半導体工場に向いていないものが存在することは事実です。それが、指紋認証と静脈認証。指紋や静脈を読み取るには認証のたびに手袋を外す必要があり、1日のうち何回もそれをやっていては時間のロスが大きく手間もかかります。また、多くの人が触れるセンサーに触れること自体が、接触感染や汚染拡大(クロスコンタミネーション)の原因となります。
生体認証の中でも半導体工場に向いていると言えるのが「顔認証」です。その理由として、下記のような点が挙げられます。
- 登録した人しか入退室できない
- その人としての入退室記録はその人本人にしか残せない
- 何も持たず「手ぶら」で認証可能
- 完全非接触
次からは、「顔認証」と、顔認証に似ている「虹彩認証」を比較し、どちらがより半導体工場に向いているかを検証していきます。
半導体工場で防塵服のまま認証できる?「顔認証」vs「虹彩認証」徹底比較

「顔認証」と「虹彩認証」はどちらも生体認証なので、入退室後は「本人としてのログが残る」という点では何ら変わりはありません。それでは、「顔認証」と「虹彩認証」ではどちらがより半導体工場に向いているのでしょうか。比較して検証します。
虹彩(アイリス)認証の特徴
虹彩認証では、一人一人違う目(虹彩)の模様を機械が見て認証します。そのため、マスクをしていても認証可能です。
デメリットとしては、認証機器が高額であることや、認証の際にカメラを覗き込むように立ち止まる必要があり、歩きながら認証するようなスピード感が出せないことなどが挙げられます。また、虹彩認証は赤外線(IR)を使用するため、保護メガネやゴーグルをしていると、レンズ表面やフレームで赤外線が遮られたり反射(ハレーション)したりして認証エラーになりやすいという特性があります。虹彩を認証するため、目にカラーコンタクトやサークルレンズを入れていると認証できません(透明ならOK)。
最新AI顔認証の特徴
顔認証システム(例:オープンセサミ)では、目元や眉間の特徴点だけで本人を特定する技術が進化しています。そのため、オープンセサミの場合、顔の20%が出ていれば認証可能なので、マスク着用のままでも入退室ができます。虹彩認証に比べて導入コストが安く、認証速度が速い(オープンセサミの場合約0.6秒)です。オープンセサミならウォークスルー認証が可能で立ち止まらずに入室できるため、渋滞が起きないという点も、半導体工場のシフト交代の際に役立つと言えます。
デメリットは、防塵服を着てマスクをした状態に加え保護メガネやゴーグルもしてしまうと、顔の大部分が隠れてしまう状態になるため、認証ができないという点です。
顔認証と虹彩認証の比較表
ここでは、顔認証と虹彩認証の比較を分かりやすくするために比較表を作ってみました。
| 顔認証システム(オープンセサミ) | 虹彩認証 | |
| 認証スタイル | ウォークスルー認証(歩きながら認証) | 立ち止まってカメラを覗き込む |
| 認証スピード | 速い(約0.6秒) | 普通~遅い(約1秒~2秒※位置合わせ含む) |
| 防塵服・マスク | ◎(顔の20%が出ていれば認証可) | ◎(目だけで認証可) |
| 保護メガネ | ×(顔の大部分が隠れてしまうため認証不可) | ×(赤外線反射でエラーになりやすい) |
| 導入コスト | ○ | ×高コスト(専用の赤外線カメラが必要) |
| 適した場所 | 工場の出入口、製造ライン(多人数が通る) | 最高機密保管庫(少人数・高セキュリティ) |
セキュリティレベル(他人受入率の低さ)だけで見れば虹彩認証は非常に優秀です。しかし、半導体工場、特にシフト交代で数百人が移動する現場においては「立ち止まらないと認証できない」という点が致命的なボトルネックになります。
一方、オープンセサミの顔認証システムは、「歩いてくるスピードのまま」認証が完了します。 「正確さ」と「スムーズさ」のバランスを考えると、半導体工場のメイン動線には顔認証システムが適していると言えます。
顔認証は実際どこまでOK?マスク・保護メガネの認証可否と運用での解決策

顔認証は、実際どこまで認証できるのか?ここではオープンセサミを例に、防塵服・帽子(フード)・マスク・保護メガネ・ゴーグルをどの程度まで着用した状態なら認証可能なのかを解説します。
オープンセサミはどこまで認証OK?
防塵服のみ
顔が見えているので問題なく認証できます。
防塵服+帽子
顔が見えているので問題なく認証できます。
防塵服+帽子+マスク
最新のAIが「目元」の特徴を読み取るため、顔の20%が出ていれば鼻や口が隠れていても問題なく認証できます。
防塵服+帽子+マスク+保護メガネもしくはゴーグル
レンズの反射やフレームによる遮蔽があるため、顔の大部分が隠れた状態になってしまうのでオープンセサミでは保護メガネやゴーグルをつけた状態での認証はできません。
認証するタイミングの工夫
オープンセサミは保護メガネやゴーグルをしたままで認証はできませんが、認証するタイミング(場所)を工夫するだけで、スムーズな運用が可能です。
更衣室入口で認証
最も一般的な方法です。クリーンルームに入るための着替えを行う「更衣室(ガウニングルーム)」の入り口で顔認証を行い、部外者をシャットアウトします。ここではまだ私服や作業着の状態なので、顔認証の障壁は何もありません。
エアシャワー手前で認証
どうしてもクリーンルーム直前で認証したい場合は、着替えの手順(SOP)を調整します。
手順:①クリーンスーツ・マスク着用 → ②顔認証(ここでドア解錠) → ③保護メガネ着用 → ④エアシャワー入室
このように「保護メガネをかける直前」に認証ポイントを設けることで、セキュリティと装備のルールを両立できます。
オープンセサミの顔認証なら防塵服・マスク着用のままでもスムーズに認証!

オープンセサミは、防塵服・マスク着用でも入退室管理が適切にできる顔認証システムです。ここでは、オープンセサミのメリットをまとめてみました。
防塵服・マスク着用でもOK
オープンセサミは、防塵服・マスク着用でも入退室管理が正確にできます。保護メガネやゴーグルまでつけてしまうと認証できないので、顔認証のタイミングを工夫することで保護メガネやゴーグルの装着前にストレスなく入退室ができます。
ウォークスルー認証
オープンセサミのウォークスルー認証なら、3m離れていても認証可能・5人まで同時認証可能・認証速度は約0.6秒と速いので、ドアに向かって歩くだけで立ち止まることなく解錠することができます。このため、認証待ちの行列ができず、作業効率を上げるのに役立ちます。
手ぶら&タッチレス
オープンセサミは何も持たずに「手ぶら」で、しかも完全非接触(タッチレス)で解錠できるので、コンタミを防止できるほか感染症対策にもなります。リーダーに触れなくて良いから、汚れた手袋をつけたままでもOKである点も嬉しいところ。また、荷物を持って両手が塞がっている状態の搬入作業中でもタッチレスならスムーズに通過可能です。
半導体製造にはクリーンルームの入退室が防塵服のままできるオープンセサミが◎
半導体工場のクリーンルームの入退室管理は、「セキュリティ」「衛生(コンタミレス)」「スピード」の3つを満たす必要があります。オープンセサミならこの3つ全てを満たし、適切に入退室管理を行うことが可能です。防塵服とマスク着用のまま解錠ができるので、スムーズな入退室が叶います。
防塵服着用時の認証精度や、実際の運用フロー(どこにカメラを置くか)に迷ったら、ぜひご相談ください。